特徴の概要

接筆あいまい型
(せっぴつ あいまいがた)

 線と線が接する部分のことを「接筆部」といいます。「口」という漢字では、1画目と2画目が接する左上の接筆部のことを特に「上部接筆部」といい、上部接筆部がくっついているとも離れているとも取れる微妙な書き方だった場合、接筆あいまい型になります。

特徴の解釈

 小学1年生で「口」という漢字を教わる時、上部接筆部はきちんとくっつけて書くように習います。大人になるにつれ、いろんな人の文字をみて、人の意識は変わっていきます。人付き合いがいいと思われたいけど、かといってルーズだとは思われたくない。真面目だと思われたいけど、かといって堅物だとは思われたくない。そんな繊細な揺れ動く心情を表現しているのが接筆あいまい型です。

この特徴をもつ偉人

紀貫之(872?~945?)
 平安時代初期の歌人。和歌の達人として名を馳せる一方で、日本最古の日記文学といわれる「土佐日記」を著し、その後の繊細な女流文学の発達にも大きな影響を与えた。

アドバイス

 この特徴を持つ人は「物事を決める」ことが苦手で、優柔不断、付和雷同といった状態になりやすいです。開くときは大きく開き、閉じるときはきっちり閉じるという書き方を意識して決断力を身につけましょう!

関連のある筆跡特徴の例

注意点

 普段接筆あいまいで書く人も、すべての字の接筆部があいまいな書き方になるわけではありません。実際の筆跡診断では筆跡全体を見て、その中でもあいまいなものが多い場合に接筆あいまいと診断されます。